2023年 3月

  • 贈与税関係 〜誤りやすい事例〜

    2023.03.22

    当局の職員向け研修資料から、贈与税関係の「誤りやすい事例」をご紹介します。

    (1) 借地上の建物を父から子に贈与して建物だけ評価
    借地権部分についても評価し、父からの贈与として申告する必要があります。
    ただし、借地権の契約書の名義を変更せず、使用貸借により借地権を父から転借し、「借地権の使用貸借に関する確認書」を提出すれば、借地権部分の贈与税申告は不要です。
    (2) 父の土地に子が建物を建て固定資産税を負担する
    個人間で土地を無償で借り受け、又は公租公課程度の金額を支払うこととして土地を借り受けた場合(いずれも使用貸借)、借地権部分の価額はゼロとして取扱うこととなりますので、贈与税申告は不要…。
    (3) 父が自分に掛けていた保険を途中で名義変更した
    生命保険契約に係る契約者や保険金受取人の名義変更があったとしても、その時点で贈与税の課税関係が生じることはありません。
    将来、保険契約を解約し、解約返戻金(満期保険金)を受け取ったときに、保険金受取人以外の者が負担した保険料の金額に対応する部分について、(その時の名義人が受け取ったままでいれば…)贈与により取得したものとみなされて贈与税が課されることになります。
    (4) 離婚に伴い財産分与として現金の授受があった!
    離婚に伴う財産分与によって取得した財産は、通常は、贈与により取得した財産とはなりません。
    (5) 一度離婚した相手との婚姻期間は通算される?
    婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用財産の贈与を受け、受贈財産に引続き居住する見込みであれば、贈与税の配偶者控除の適用があります。
    同一配偶者であれば婚姻期間は通算され、前回の贈与者と今回の贈与者が異なる場合でも、どちらも20年以上となれば両方適用されます。
    なお、婚姻の届出日から贈与の日までの期間で判断されます。
    (6) 入学で上京した子に年間の生活費を一括贈与
    生活費や教育費に充てるため必要な都度贈与されたものは非課税財産となりますが、「直系尊属から教育資金の一括贈与の非課税制度」を利用しない場合、一括贈与には贈与税が課されます。
    (7) 直系卑属の特例贈与では戸籍謄本必ず必要?
    贈与の年の1月1日において18歳(令和4年3月以前は20歳)を超える者が、父・祖父等の直系尊属から贈与を受けた際に適用される特例税率は、贈与財産額410万円以内では一般贈与と計算に差がないため、戸籍謄本等の提出は不要です。
    (410万円超で申告する場合でも、過去に戸籍謄本を添付して申告していれば、その申告年・署名を記載して申告すれば添付省略可…)
    (8) 先行取得土地での住宅取得資金贈与はどう?
    贈与の年の1月1日において18歳(令和4年3月以前は20歳)を超える者(所得制限あり)が、父・祖父等の直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税の特例は、先行取得の土地(敷地)にだけ贈与資金を充てた場合でも、受贈者が家屋の名義を取得(共有含む)すれば適用になります。
    ただし、贈与があった日の翌年の3月15日までに棟上げが完了し、完成後遅滞なく(遅くとも12月31日までに)居住の用に供していなければなりません。(コロナ特例あり…)
    (9) 住宅取得資金の非課税枠を超えた贈与は?
    住宅取得資金贈与の非課税枠を超える贈与があった場合には――
    1. 暦年課税の基礎控除(110万円)
    2. 相続時精算課税の特別控除額(2,500万円)
    ――のどちらかを選択することができます。(両方は不可、2.は年齢制限等注意…)
     
     

    【横浜市・町田市・相模原市・大和市・川崎市で相続といえば、
    アイブレ相続センター(税理士法人アイ・ブレインズ)へ】

Copyright © 2007-2015税理士法人アイ・ブレインズ 横浜事務所 All Rights Reserved.